「おことで音楽をしてみよう！」　講師：横山佳世子

近年「おことも音楽なのですか？」という質問を受けショックを覚えました。私は「もちろん音楽です、一度ぜひご自身の耳と感性で確認してみて下さい」と回答しましたが、以来、箏曲家としてその事柄について目をそらさずに考え続けています。母の影響で生まれた時から家に箏があり、毎日必ず箏の音が聞こえていた私にとっては当たり前の楽器でしたが、そのような環境の友達は学校に一人もいませんでした。大人になり箏演奏家としてあらゆる場所で演奏をするようになってから、「初めて箏の生演奏を聴いたが、とても感激した、こんなに良いものだと思っていなかった、また聴きたい」との反響を受ける機会が多いことからも容易に想像のつく質問であったはずなのに、殊更忘れられない場面としてその質問のフレーズが私の中でリピートしています。

皆さんが幼稚園や学校で経験した楽器といえば、きっとハーモニカ・カスタネット・タンバリン・鍵盤ハーモニカ・木琴・リコーダー、或いはピアノや吹奏楽に登場する楽器たちは、触ったことはなくても目に耳にする機会が多かったと思いますが、「おこと」は音楽室や音楽の授業に関わりのない昔の日本をイメージする音楽に属さないモノなのかもしれません・・・。
先に挙げた箏以外の楽器は全てヨーロッパの楽器です。素晴らしい楽器がゆえに日本の教育現場で愛用され続けていますし世界中に流布しています。
東京オリンピックや大阪万博を機に日本へ訪れるあらゆる世界の方々は、日本ならではの様々な文化に興味津々で見聞してくれると思うとワクワクします。
昨今のグローバル化によって、早期英語教育も盛んになっています。
次の世代になったら、「おことは音楽なのですか？」と口にする大人は皆無となり、あらゆる世界の方々に「日本の素晴らしい音楽」として「箏曲」を流暢な英会話で紹介できる頼もしい大人が一人でも多く住まいする芸術文化の根ざす茨木市であってほしいと願うばかりです。

とかく楽器を演奏できる人は「別世界のカッコいい人」のように扱われがちですが、箏は初めて触ったその日でも、美しい音や、自分らしい音を出す喜びを知ることが可能な初心者や子供にも嬉しい楽器です。
ただしその為の条件がひとつだけあります。それは「音を楽しむこと(音楽)が好きであること」です。楽譜が読めなくても、ピアノレッスンに行ったことがなくても、音楽の授業で落ちこぼれていても大丈夫！男の子も大歓迎！音楽教師の経験もあるプロの箏奏者が責任もって教授しますのでご安心下さい。
国際的な次なる茨木、次なるわたしの道程の一つとして、ぜひとも「おこと」で「音楽」の和と思い出を作りましょう！早い者勝ちです！